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県内高校外国語科教員対象夏季CALL研修会

神奈川県立白山高等学校における「県内高校外国語科教員対象夏季CALL研修会」レポート

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神奈川県立白山高等学校

2012年8月22日(水)、神奈川県立白山高等学校において、「県内高校外国語科教員対象夏季CALL研修会」が開催された。今回のプログラムは、白山高校の西部優先生による授業実践報告、ならびに上智大学の浦口理麻先生による大学の授業におけるCALLシステム活用のご紹介、CALLシステムの操作体験。県内の先生方約20名が参加され、賑やかな研修会となった。

<研修会・プログラム>
◇授業実践報告:神奈川県立白山高等学校 英語科 西部 優先生
・Microsoft Office PowerPointを用いたスピーチ指導
・Webサイト(BBC Learning English)を用いた時事英語の授業
◇授業実践報告:上智大学 非常勤講師 浦口 理麻先生
「ドラマで学ぶ英会話 ―個別作業とペアワークの融合―」
CALL操作体験:チエル株式会社

■授業実践報告:西部 優先生
- CALL教室の使用で一方通行の授業が双方向へ -

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西部先生より紹介されたWebサイトを 各自で閲覧
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ムービーテレコで実際に視聴

 はじめに、西部先生が、同校のCALL教室を使用した二つの授業をご紹介された。

 国際教養コース専門科目の時事英語の授業は、生徒の学習レベルに合わせたアップツーデートな内容を、楽しんで勉強してもらうことをコンセプトにしている。このコンセプトに則って授業で使用している教材がWebサイトの『BBC Learning English』。普通の英文ニュースは、難解な政治記事が多く、その背景知識を必要とする題材が多いが、『BBC Learning English』は、興味を持ちやすい話題を厳選しており、比較的優しい構文の英語で、しかもスピードもゆっくりとしているので、英語を楽しみながら学べるサイトである。

 生徒たちは、CaLabo EXの動画音声学習ツール『ムービーテレコ』を用いて、このサイトの映像に表示されるスクリプトを目で確認しながら読み上げるシンクロリーディングを行う。次に、音声だけを聞き、聞こえた英文を声に出して録音するシャドーイングをする。生徒側の操作では、聞き取りにくい部分を繰り返し聞き取ったり、自分の声だけを大きくして発音を確認したりすることが可能だ。先生側では生徒の発音がチェックできるので、モデル音声を皆で聞いてみよう、といった発表を最後に行っている。

 西部先生によると「この授業では辞書は極力使わないようにし、英文を読んだ際に、前後の文章から推測していく力の下地をつくってあげたい。重要単語だけはしっかり提示するが、書けるようになるまでは要求しない」とのことである。

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生徒のプレゼンテーション作品を紹介する西部先生

 続いてのオーラルコミュニケ―ションの授業では、パスポートコントロールやイミグレーションを学んだ後、授業の総括として、Microsoft PowerPointで「自分の行ってみたい国」についてまとめ、英語でプレゼンテーションする。発表の後は、発音・イントネーション・アイコンタクト・スライドビジュアル・内容といった採点項目に従い、生徒同士で評価する。

この日は、西部先生の授業を受けた生徒の代表が、実際に行ったプレゼンテーションを再現。「最初はパソコンの操作が難しかったが、ネイティブの発音が学べるということもあり、CALL教室で実践的な英語力が身に付いたと思います」と授業の感想を話してくれた。

◇授業実践報告:上智大学 非常勤講師 浦口 理麻先生
「ドラマで学ぶ英会話 ―個別作業とペアワークの融合―」

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ペアワークの活動を紹介する浦口先生

続いて、上智大学でCALL教室を活用されている浦口先生の授業実践例。

 このクラスの学生は、英語に興味を持っており、リーディングやリスニングであれば比較的理解できるが、今まで英語を「話す」機会が少なかったために、スピーキングを苦手とする傾向が見られるそうだ。

 授業は週に2コマ、1回はCALL教室を使用し、もう1回は普通教室で行われる。CALL教室では「とにかく耳と口をたくさん使ってもらう。内容は簡単なものを扱い、話すことに体で慣れる」という点を強調し、基本的に授業時間のほとんどは英語を用いている。一方、普通教室では、「しっかり辞書で調べて、文法もしっかり意識し、頭を使って内容を理解する」活動を主としている。

 教材は、アメリカの若い世代を中心に非常に人気のある“glee”というドラマ。選定理由は「おもしろくてためになる」。いじめ、人種、ハンディキャップ、偏見といったディスカッションに発展するような内容が充実し、歌も満載なのだ。教科書は使わない。

 このドラマを使って次の三つの活動を行う。

A.聞き取りと要約:テーマを理解する

ペアを作り、AとBとに分かれる。
AとB、それぞれの場面を観ながら穴埋めをする。
その後、「スクリプト」と「要約を作るための補助教材」を参考に
要約を作る。
また、与えられたトピックに対して自分の考えを述べる。
ペアに場面の説明をした後に、自分の考えを述べる。
各自相手の場面を確認する。

B.シャドーイングとペアワークによる会話練習:単純な作業を繰り返しながら体で英語を覚える

AとBの場面に出てきた五つの表現をシャドーイングにより暗記
ペアワーク開始。会話の中で表現をつかいながら、表現を定着させる。
  ①英語のスクリプトを読みあげる。
②日本語のスクリプトを読みあげる。表現を覚えているか確認。
③英語のスクリプトを30秒ほど見て、再度表現を確認
④フリーカンバセーション。自由に会話をしながらも、学んだ表現を必ず使う。
また以前の授業で学んだ表現を使うことで、表現が定着しているかどうか確認する。

C.歌の比較:歌の主題をつかみ、自分の言葉でパラフレーズ

AとBの場面に出てきた五つの表現をシャドーイングにより暗記
  授業のテーマと関連した曲を2曲聞く。それぞれの歌がどのような意味を持っているか考え、
重要だと思われる歌詞を書き出し、それを別の言葉で説明する。

 先生は、個別作業とペアワークをいかに効果的に組み合わせるかを考えて授業を組み立てているそうだ。CALL教室ならペア相手を瞬時に組み替え、効率よくペアワークを実施することができ、学生が主体性を持って課題に取り組める。普通教室では、CALL教室で使った教材の構文や文法表現をより深く調べ、考えることに重きをおく。CALL教室と普通教室を使い分け、併用することの効果がよく理解できる実践例であった。

■CALL操作体験
-CALLグループごとにロールプレイ式で操作体験-

チエル株式会社 CS推進課 三木 智絵

 「CALL操作体験」は参加者の先生方を3~4名の五つのグループに分け、一つのグループが先生役で操作をしている時は、他のグループは生徒役になり、使い方を体験していただくロールプレイスタイルで行われた。グループごとに下記の内容を体験。

Aグループ「シャドーイングの指導」
Bグループ「ランダムペア」
Cグループ「Webサイト(英語News・辞書)の活用」
Dグループ「動画でディクテーション/解答回収」
Eグループ「テキスト読み上げ録音と回収、モデル音声の発表」

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先生役と生徒役でCALLの操作を体験

 それぞれのグループの操作の前に、チエルの担当者が「活動内容」「生徒側に取り組んでもらうこと」を説明し、内容を理解いただく。教卓で操作を担当する先生は説明された操作手順にしたがってクラスをCaLabo EXでコントロールし、待っているグループの先生方は生徒役として活動に取り組まれた。

 

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リスニングし、穴埋め問題を解く参加者

 例えばグループAの「シャドーイング指導」では、CaLaboEXの動画音声学習ツール『ムービーテレコ』に音声ファイルの教材を読み込み、生徒に配布。生徒は配布された音声を『ムービーテレコ』で聞きながらシャドーイング録音を行う。録音した音声は自分で再生し、振り返る。先生はその様子を「モニタ」で確認し、「インカム」で音声指導する、という流れ。教卓の先生は生徒側の先生のシャドーイングを「モニタ」で聞き、「インカム」に切り替え「聞こえますか?」と話しかける。声をかけられた生徒側の先生は少し驚いた様子で「聞こえます!」と応答し、ヘッドセットを通した音声指導の感覚を擬似体験されていた。

 他のグループも「ファイルの配布・回収」「一斉録音」「Webサイトの利用」「Microsoft Officeの利用」などCALLの特色を活かした内容で、様々なパターンで授業が展開できることを確認。実際の授業で使われている教材でシャドーイング、ペアワーク、Wordでのディクテーション、録音などに生徒としてチャレンジしたことも、先生方にとっては普段できない体験の一つ。操作体験は、西部先生や浦口先生が紹介された活動内容や教材をベースにしたプログラムで、活動の意義や効果などを聴講した後で実際の操作を体験することにより、一つひとつの活動とシステムの具体的な操作を結び付けられる構成になっていた。

 CALLを初めて使う先生は「どんなことができるのか」に注目し、すでにCALLをお使いの先生は活用した上での具体的な疑問を解消しながら操作され、それぞれの目的に応じて体験されている様子だった。

 

 今回の参加校のうちの7割が、CALL教室を使っているということであったが、「使いこなせるまで研修していない」、「システムの機能を十分に理解できていないと」いう悩みがあることがわかった。

 そんな中、参加者からは「ただ説明を受けるだけでなくCALLの操作を身に付けることができました」「CALL教室を利用すれば、いろいろなタイプの授業ができるので、自分の授業でも取り入れたいと思う」「教材ですぐ使えそうな内容だったので、大変参考になりました」といったご意見が多く聞かれた。高校および大学の先生による実際の活用例と、具体的なCALLの操作体験という中身の濃い内容に、参加された先生方も積極的に取り組まれ、充実した研修であった。

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